チャレンジテストの功罪

今年も大阪にはチャレンジテストの
季節がやってまいりましたねー
(2シーズン制ですが)

この記事では賛否両論、
どちらかといえば批判のほうが多い
チャレンジテストの主に「罪」
の部分に焦点を当てて考えていきたいと思います。

そもそもチャレンジテストって?
簡単に言うと全国学力テストの大阪版です

–学力テストと何が違うの?
→学校レベルでは、各学校間のテストの成績で
 内申点の比率が変動します。
→個人レベルでは、チャレンジテストの成績で
 取りうる内申点の値が変動します

…実はこの2点が同時に存在してしまったことで
大きな問題を引き起こしました
大阪チャレンジテスト:別の中学でも大量欠席
– 毎日新聞

この毎日新聞さんの記事からは、チャレンジテストを欠席するという
「作戦」
が読み取れます。

そう、成績下位層にとっては
このチャレンジテストに参加しないことは
自らの内申点を下げないために取りうる
有力な選択となっているのです。

ここで、学校は本来的にはこのような生徒にも
積極的に受験させねばなりませんが
(定期テストを休んでもいいよ!という先生はいないでしょう)
学校側にとっても、成績下位層の生徒が受験しないことのほうが
喜ばしい状況になっています。
もちろんこのことを口に出しては言いませんが
制度の仕組みを見てみれば、
学校側が欠席を黙認しかねない状況を生み出すことが
安易に予想されます。
なぜなら、学校単位の成績を上げるためには、
すべての生徒の成績をまんべんなく上げるよりも、
平均点を押し下げる要因となってしまっている
生徒が受験しない、つまり欠席するほうが、
手っ取り早く学校の成績を上げ、
ひいては休んだ生徒の内申点を実力以上に
押し上げることが可能になるからです。

毎日新聞さんの記事が取り上げたチャレンジテストは
中学1、2年生を対象にした今年の冬のものです。

彼らよりもずっと切実に内申点を上げたい中学3年生に
とってみれば、
成績下位層が欠席し、
上位陣が好成績を納め、
学校としての内申点の基準を押し上げるというのは
どのような学校行事にも劣らない
(ややもすれば最上の9
チームプレーの素晴らしさを伝える場になってしまう
恐れさえあります。

確かに、学校間の学力格差からくる内申点の相対評価は
僕が中学生のころから問題視されていました。
(僕の学校は市内でも最下位を争っていたので
 僕自身は内申点には苦労しませんでした
 そもそも内申点が関係ない私立に進学したのですが…)
この問題を解消するために大阪府では内申点の評価を
相対評価から絶対評価に変えましたが、
今度は教師間での内申点の取りやすさが違うという
不公平を生み出してしまいました。

この状況を打開するためにチャレンジテストによって
各学校の学力を正しく測り、その実力に応じて
内申点の得点比率を変動させる、ということを
大阪府が理想としていたのは
誰もがわかっていることです。

しかし、結局のところこの方式でも問題は存在することから
そもそも内申点という評価方式そのものに
限界があるというほかないようです。

中学3年生を対象にしたチャレンジテストは今週行われます。
今回は戦略的欠席が発生しないことを祈るばかりです。

ここまでかなりチャレンジテストに対して
批判的に論を展開してきましたが
次回の記事では、「功」の部分にも
スポットライトを当てていきます。
チャレンジテストの功罪(2)に続く